新規事業の目的・意義

新規事業とは?

ある日突然、役員や上司から「何か新規事業を考えてくれ!」と指示されたことはありませんか?私は、これまで何度もあります(笑)というか、これまでのキャリアの半分は新規事業に携わってきています。

当初は、あいまいな指示や方針に疑問を持ったこともありました。ただ、新規事業は会社を長期持続的に営むためには必要なことです。
新規事業に携わるなかで山あり谷ありで苦労もたくさんしてきましたが、身をもってその難しさや意義を経験させていただきました。
ですので、新規事業を始めるにあたって抑えるべきツボなどを自分なりに整理していきたいと思っています。

新規事業の目的・意義

新規事業の立案について指示があったものの、社内からは様々なご意見をいただくことがあります。
例えば・・・

  • 新規事業は成功するのか分からない。投資はリスクだ!
  • 新規事業への投資で既存事業の利益が食いつぶされる!
  • 利益を出している既存事業に力を入れた方が重要ではないか!?

同じようなことを言われたことありませんか?
ただ、これらのご意見は収益をあげている既存事業の方々からすると「ごもっとも」なご意見です。でも、既存事業ももともとは新規事業だったというのも事実なのです。

何でリスクを背負って新規事業に挑戦しなければならないのでしょうか。
それは、現在好調な既存事業がいつまでも続くとは限らないからです。会社を長期継続して営むために新たな収益事業の立上げが必要なのです。

イメージとしては下図のような感じです。
既存事業はいずれ成熟・飽和を迎えて、市場や競合環境の中でパラダイムシフトがおきると、途端に競争力を維持できずに事業縮小、最終的には事業撤退する可能性はあります。それが何時起きるのかは分かりませんが、そうならない為にも次の収益事業の柱を備えておく必要があります。

新規事業の必要性

イノベーションのジレンマという言葉を聞いたことありますか?
持続的イノベーションに注力する既存プレイヤーが破壊的イノベーションを持つ新興プレイヤーを前に力を失うメカニズムで、デジカメ市場が分かりやすい例えとして、よく用いられます。

持続的イノベーションと破壊的イノベーション

銀塩カメラ(フィルム)からの破壊的イノベーションとして、デジタルスチルカメラが1980年台後半に誕生しました。当初は、使い勝手も画質も悪く、普及するまでに時間も掛かりましたが、ユーザが求める画質、機能を満たしていくことで一気に普及して、逆に銀塩カメラは一部を除いて殆ど見る機会はなくなりました。

一方、1990年台後半にカメラ付き携帯電話が誕生しました。こちらも当初は画質も悪く、デジタルスチルカメラの代替として使えるレベルではありませんでしたが、徐々にユーザが求める画質、機能を満たしていき、スマートフォンが普及してからはSNS、Youtubeなどに画像・動画をアップロードするなどライフスタイルの一部にまで変化してきました。このことで、コンパクトデジカメ市場は殆どなくなり、最近のスマートフォンで一眼レフ的な撮影も出来るようになったことで、一眼デジカメ市場も大幅に縮小してきています。

このように、破壊的イノベーションによるパラダイムシフトがおき、これまで順調に収益をあげていた事業が衰退していくことはあります。だからこそ、常に危機意識をもって時代の変化に応じて柔軟に事業変革していくことが重要だと思います。

次回は、新規事業の立ち上げに求められることについて整理したいと思っています。

投稿者プロフィール

nalab
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管理人:NaLa
元エンジニア
ベンチャーキャピタリスト
うどん県出身/関西在住