8.投資家へのサマリー資料のイメージ
これまで資金調達に向けての基礎的な準備事項を説明しましたが、投資家まわりをする際に必要となるサマリー資料のイメージについて説明します。
事業バリューと成長性を簡潔に伝えること
投資家との初回面談では短時間に自社の特徴や強みを理解して貰えるようにエレベーターピッチを心掛けてください。
あくまで目安ですが初回面談時は10分程度で概要説明を行い、関心を持ってくれたら質疑応答で詳細説明して理解を深めてもらえるような段取りが好ましいです。
初回面談のサマリー資料に最低限盛り込むべき内容は、ざっくりですが以下項目を参考にしてください。
※ベンチャーキャピタルの正式デューデリジェンスの際は、より詳細な情報を求められます。本ページで示すのはあくまでサマリーレベルです。
- 事業ビジョン
- 会社概要
- 事業概要
- ターゲット
- 資金使途・開発計画
- 競合比較と優位性
- 経営チーム・組織体制
- 事業計画
- ファイナンス概要
①エグゼクティブサマリー(事業ビジョン・コンセプト)
提供する製品・サービスで顧客や社会に対してどのような価値を提供して、イノベーションが起こせるのか、将来的にEXITを達成してキャピタルゲインの大きさを十分に説明できるよう意識して下さい。
②会社概要
下記の基本項目は抑えておきましょう。
- 商号
- 設立年月日
- 代表取締役社長
- 資本金
- 事業概要
- 所在地
- 連絡先
- 従業員数
③事業概要
その会社が生業としている事業や製品の概要、特徴、強みと必要に応じてビジネスモデルの概要をシンプルにまとめてください。例えば、取引実績などアピールする事で関心を引くこともできます。
このページで投資家が関心を持たないと、ファーストインプレッションとしては厳しいと思います。
④ターゲット
事業展開するターゲット市場や対象顧客、市場課題(ニーズ)や市場規模を説明する事で、その事業が提供するバリューを客観的に伝えることができます。
⑤資金使途・開発計画
今回の資金調達の目的、その資金使途の内訳、開発計画を示しましょう。
ポイントとしては、その資金を元手により新たにどのような価値提供ができるようになるのか、その結果、どのような形で事業計画の達成してEXITの確度に影響してくるのかについて説明することを意識してください。
⑥競合比較・優位性
ターゲット市場で競合サービスが存在するなら、それとの比較、優位性について説明を入れましょう。
例えば、コストが●%安い、生産効率が●%向上、性能が●%向上することで▲の削減効果が期待できるなど、定量的な指標で比較することで説得力が増します。
⑦経営チーム
取締役の氏名、役職、年齢、略歴を入れて、事業開発、成長できるポテンシャルのあるチームであることを示しましょう。
例えば、過去にその業界でEXIT経験(上場/M&A)の経験があるというのは非常に強いアピール材料になります。
⑧事業計画
先に説明した③、④を踏まえて、EXITまでの中長期の事業計画を示しましょう。事業計画についてはこちらを参考にしてください。
今まで会ったベンチャーの中には、想定時価総額を併記してくれている場合もありました。時間軸でバリューの推移も一緒に見れるので、よりイメージし易かったです。
⑨ファイナンス概要
今回の資金調達のファイナンス概要について示してください。
- ステージ
- 調達金額
- 調達時期
- 証券種類
- プレバリュー
- 株価
- 現状の株主構成、株数、割合
このページで示した形式が必ずしも正しいとは限りません。とにかくシンプルに整理して、投資家に響くプレゼンを心がけて下さい。
投稿者プロフィール
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管理人:NaLa
元エンジニア
ベンチャーキャピタリスト
うどん県出身/関西在住
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