5.ベンチャーキャピタルの投資条件
投資検討に必要な必要資料の準備
先ず、ベンチャーキャピタルに具体的な投資検討してもう為には、最低限必要な情報をそろえる必要があります。
とはいえ、 そもそも論になりますが、経営者や事業が魅力的かどうかで具体的に投資検討に進むかどうかが決まると思います。
これら必要資料を揃える為の作業と労力は相当な負担になると思います。本業に支障にならないように効率よく準備を進める必要があります。
なお、複数のベンチャーキャピタルに対して投資検討の依頼することも踏まえて、これら資料をパッケージ化して事前準備できるように心がけた方が良いと思います。
投資したくなる条件
ベンチャーキャピタルは、前述したとおり、将来性の高いベンチャーに投資を行って、その投資先がEXIT(上場/M&A)することによるキャピタルゲインで利益を確保するビジネスモデルになります。
ですので、ベンチャーキャピタルは、比較的短期間でEXITの可能性があるベンチャーに対して投資をしたいと考えています。逆に言えば、将来EXIT(上場/M&A)しようと考えていないベンチャーは投資の対象にはなりません。
では、具体的にベンチャーキャピタルは、どのようなベンチャーに対して投資をしたくなるのかについて紹介したいと思います。
- 10倍ルール
たとえ素晴らしい技術を開発しているベンチャーであっても市場ニーズがなければ意味がありません。技術を評価する1つに「10倍ルール」という指標があります。10倍ルールとは、従来の既存製品、サービスと比較して、同コストかそれ以下で10倍以上の価値提供できる技術をもつベンチャーにのみ投資をするというルールです。
要はイノベーションをおこす革新的な技術で市場ニーズがあれば、ベンチャーキャピタルもリスクを取っても投資する可能性があります。
特に、シード、アーリーステージを投資対象とするベンチャーキャピタルは、そういった急成長するベンチャーを好む傾向があります。 - 2分の1ルール
仮に成熟市場であっても、従来の既存製品、サービスと比べて倍以上の価値のあるものを同価格か、もしくは同価値のものを半値以下で提供できるベンチャーであれば投資検討のテーブルに乗ることができます。 - 急成長市場をターゲットにしているか
鈍化している市場を対象にすると成長スピードも期待できません。将来を見越して急成長すると予想される市場をターゲットに事業展開をおこなうベンチャーに対して期待をしています。 - 競合他社に対して参入障壁はあるか
やろうと思えば比較的誰でもできるビジネスは参入障壁は低く、高い技術レベルが要求されたり、規制や認可、特許化により他社は簡単にビジネス化が出来ない場合は参入障壁は高いといえます。よって、競合他社に対して参入障壁があるかどうかが、投資判断の大きなポイントになると思います。 - 営業力・販売力はあるか
いくら、そのベンチャーの製品、技術が優れていても、ターゲットとする市場、顧客に対して、効果的なマーケティングミックスで訴求できるかどうかが重要になります。 - 粗利率が高い事業かどうか
上記に加えて、利益率の高い事業を展開しているベンチャーは魅力的です。粗利率が高く、株式公開できるほどの利益を上げられる事業計画かどうかが重要な判断の1つになります。
成功する起業家の特徴
ベンチャーキャピタリストは、投資検討する際に、そもそも起業家が魅力的かどうかを重視します。
起業家に求める資質としては、色々ありますが、これまでの経験や諸先輩方の意見を集約すると、以下のポイントになると思います。
※もちろん、他にもいろんな側面でキャピタリストは判断しますので、あくまで一例になります。
- パッション、自社サービスに対する自信
- 人格、誠実性/信頼性
- 先見力、洞察力
- リスクを恐れない失敗を活かす能力
- 問題解決能力、実行力、継続力
- 収益感覚、計画性
なかなか、文章だけでは伝わりにくい部分だと思います。とにかく、優れた起業家と接点を持って、感覚を養うことが必要だと思います。
※私自身、まだまだ未熟者なので、日々学ばせて頂いております。
次回は、ベンチャーキャピタルの投資検討プロセスについて、まとめたいと思います。
投稿者プロフィール
-
管理人:NaLa
元エンジニア
ベンチャーキャピタリスト
うどん県出身/関西在住
最新の投稿
- 新規事業の創造2019.10.27新規事業立案の基本プロセス
- 新規事業の創造2019.10.20プロダクトアウトとマーケットイン
- 新規事業の創造2019.10.13新規事業に求められること
- 新規事業の創造2019.09.01新規事業の目的・意義